下肢静脈瘤の外来治療のご案内

 
  
 
 下肢静脈瘤治療前  硬化療法に伴う検査

 静脈瘤の検査はカラードップラー超音波診断装置を
用いた血管の画像診断と血液の流れる速度波形などから、
静脈の閉塞や開存、穿通枝の大きさや部位を調べます。



硬化療法の方法
上記の検査を施行した後、静脈瘤内に硬化剤を何カ所か注射し、外から静脈瘤を固めるため、足に弾力包帯を巻き静脈瘤を圧迫します。治療はこれで終わりですが、もし、検査で足の中心を走っている太い静脈(深部静脈)から静脈瘤に流れる血管(穿通枝)が多い場合は硬化療法だけでは不十分で再発する事もあります。そのため、再発を予防し、硬化療法の効果を高めるために、その穿通枝の血管の部位に局所麻酔をし、約3〜5mm皮を切開し、血管をくくります。そして1週間後に硬化剤を注射します。
穿通枝の部位
硬化療法後3週後
  • 下肢静脈瘤とはどうしてできるの?
     足の静脈は筋肉の細胞で作られる老廃物を血液とともに心臓に運ぶ血管です。日常生活で立ったり、座ったり、歩いたり、走ったりしている間、足の血液は絶えず重力に逆らって心臓に流れていかなければなりません。健康な静脈では足の筋肉を動かすことによって起こる筋肉ポンプの力で血液を送ります、そして、血液の逆流を防ぐために静脈には弁が付いています。

     下肢静脈瘤の原因としては長時間の立ち仕事、肥満、女性では妊娠などが負担になり、静脈の弁が壊されてしまい、血液の逆流が生じて流れが悪くなり、足のうっ血を起こしてしまいます。このうっ血が静脈瘤を作ると考えられていますが、遺伝子が関与しているという報告もあり、現在でも解明されていないことが多いです。

     下肢静脈瘤の形はぐねぐねと曲がりブドウの房の様な血管から、真直ぐなものまで、太さも指ぐらいの血管から、クモの巣のように細いものまで様々です。また、全く、皮膚の上から見えない静脈瘤もあります。

  • 下肢静脈瘤の症状とは何ですか?
     下肢静脈瘤は最初は何の症状も有りませんが、そのうち、足がむくむ、疲れてだるいという症状が出てきます。立ち仕事などしていると、足へのうっ血が徐々に強くなるために、一般には朝より夕方の方が症状が重くなり、疲労感が強く、痛みを感じる人もいます。足を上げるとうっ血が改善するために静脈瘤の症状がやや軽くなります、よく仕事終わりに足を高く上げている人を見たことはあると思います。何だか最近、足が太くなったと感じる人もあると思います。寝ている間のこむらがえりの原因にもなります。また、お湯などに温まると痒くなり、知らず知らずのうちに掻きむしったり、血液の流れが悪いため血栓を作るととても痛くなり、皮膚も黒く汚くなります。そのまま放置すると静脈瘤に穴があき潰瘍を作ったらなかなか治りません。重症化して、血栓が肺に流れてしまうと肺梗塞を引き起こすこともあり、下肢静脈瘤は非常に危険な病気です。
  • どうやって下肢静脈瘤の治療するのですか?
     下肢静脈瘤の治療としましては今まではストリッピング(静脈を抜き取る)手術が行われてきましたが、約2〜3週間の入院が必要であり、静脈瘤を抜き取る時に感覚の神経を傷つけてしまうこともあり、手術後に足に鈍麻、痛み、異常感覚といった不快感も多く認めました。また、再発も3〜4割と成績もあまり良くありませんでした。
     最近では硬化剤を注入することによって静脈瘤のある表在静脈を固めてしまう硬化療法を行っています。
  • 当院の下肢静脈瘤の治療方法をお話しします。
     当院では硬化療法を行っております。治療は全て外来でできます。治療期間は片足で約8日間で実際に通院してもらうには4日間です。そのうち入浴できないのは2日間で、ほかの日は普段通りの生活ができます。

     硬化療法とは硬化剤を注入することによって静脈瘤のある表在静脈を固めてしまう治療ですが、もし、足の中心を走っている太い静脈(深部静脈)から静脈瘤に流れる血管(穿通枝)が多い場合は硬化療法だけでは不十分で再発する事もあります。そのため、再発を予防し、硬化療法の効果を高めるために、その穿通枝の血管の部位に局所麻酔をし、約3〜5mm皮膚を切開し、血管をくくります。
     足はすっきりと軽くなり疲労感も無くなります。そして、足もひとまわり細くなります。切開部も小さいため、ほとんど目立ちません。固まった静脈瘤は約2〜3ヶ月で自然吸収して無くなります。
     この治療は外来の通院で行うことができます。入院の必要もなく普段の生活、働きながらもできますので忙しい方でも気軽に受けていただけます。

  • 硬化療法の成績をお話しします。
     今までに約1300人、約1800肢に硬化療法をしています、少しずつ治療方法も変わってきています。今の治療方法になってからは約5年たちますが、785人、1329肢(2000年12月現在)治療しました、そして、再発は16肢(約1.2%)と良好な成績と思います。

    是非、下肢静脈瘤は言うまでもなく、足が浮腫むとお感じの方は一度ご相談下さい。